可視光線を反射することによって反対の世界を映すもの、それが鏡です。鏡というのは非常に不思議な存在としてみなされており、世界中で鏡を神聖なものとする文化がありました。
例えば日本では鏡を祀る神社もありますし、地獄の閻魔大王が罪人の真実を映す浄破璃の鏡を使っているとも伝えられています。
鏡が割れるのは不吉の予兆、使わない時には鏡に布を被せるべき、鏡にまつわる逸話はそれこそ何千とあることでしょう。
そうした逸話の一つであり、今日に残る都市伝説となっているのが「合わせ鏡」です。鏡を二枚、向かい合わせにして配置して映る像を見ることは危険なことだとする都市伝説は全国に伝わっており、そうした話を聞いたことがある人も少なくはないでしょう。
合わせ鏡をしてはいけない理由
では合わせ鏡を実行するとどうなるのかというと、メジャーな都市伝説は三つあります。
1.自分の未来の姿が見える
まず一つ目が「合わせ鏡の向こうを見ると自分の未来の姿が見える」というのものです。
この未来の姿が何を指しているのかというのはいくつかのバリエーションがありますが、有名なものだと結婚相手が見える、自分の死に際の姿が見えるといったものがあります。
また自分が若くして死ぬ姿が見えてしまった場合、その運命からは逃れられなくなるといったものもあるでしょう。
2.悪魔が呼び出される
次に二つ目の都市伝説が、合わせ鏡の間に立って呪文を唱えると悪魔が呼び出されるというものです。
この呪文も地域や時代によって異なりますが、悪魔を呼び出すと死んでしまう、悪魔に願いを伝えると叶えてもらうことが出来るが災いが身に降りかかるといった話がメジャーでしょう。
3.この世のものではないものが見える
最後の三つ目ですが、これは自分が何かをするのではなく、二枚の鏡の間に人形をおく話です。
鏡の神秘性は先に触れた通りですが、人形も人形で、人や動物の形を模しているが故に魂が宿るとされている存在です。それが二枚の鏡に無限に映し出されることによって、本来ではあり得ないはずの物が見えるとする話もあるのです。
例えば、本来であれば左右対称に映るはずなのに左右対称ではなかった、女の子の人形が醜悪な笑顔を見せていた・・・といった話はよく話題として持ち上がる物でしょう。
また都市伝説とは異なりますが、古くから日本では鏡を異界との不完全な通り道という考え方もあります。そのため合わせ鏡にすると異界への通り道が完全に通じてしまい、不吉や災いが現世にやってくると・・・いった話もあります。鏡にはさまざまな逸話があるわけです。
己の姿を映す神秘の鏡、それを面白半分に使うということは、時として身を滅ぼすほどの危険を及ぼすことなのかもしれません。
合わせ鏡のやり方とは?
しかし、いくら合わせ鏡が危険と言われてもやってみたくなるのが人間というもの。他にも合わせ鏡は風水的にも良くないと言われますが、そのやり方を簡単にご説明します。
- 鏡を2つ以上用意する
- 顔が映るように間に立ち、鏡の一番奥を見る
- 深夜2時ぴったりになるまで待つ
すると、鏡の中のどこかに自分の未来の姿が映ってしまい、鏡の一番奥にはこの世のものでない何かが映ってしまうとのこと。それは自分の人生最後の姿か、はたまた悪魔の姿かわかりませんが・・・。
また深夜2時は「丑三つ時」と呼ばれ、最も夜の深い時間帯とされています。それはつまり、あの世へ繋がりやすい時間帯であり、悪魔や幽霊といったこの世のものでないものが活動しやすい時間帯ということなのです。
実際はそこら中に合わせ鏡になっているところはあるので、合わせ鏡になった瞬間何かが起きるということはないと思いますが・・・。