「世界幸福度ランキング」が国連から発表され、相変わらずの日本の順位が低さが話題になっています。
その順位は、なんと53位。
GDP3位なのに、長寿ランキング3位なのに、IQの高い国3位なのに幸福度は53位なんです。
日本人として日本を贔屓目に見てしまうとしても、世界各国の中でもトップレベルの先進国であることは間違いないでしょう!それなのに、いったいなぜなのでしょうか。
日本人の幸福感は他人と比べて良いか悪いか
はじめに説明しますと、世界幸福度ランキングの調査方法は「自分の生活クオリティを10点満点で自己評価する」というもの。
他人から見て貴方は幸せだとか、年収が1000万あるから貴方は幸せだとかではなく、自分自身が今の生活を幸福に感じているかどうかの主観的な判断でしかありません。
そこに日本の順位が低い理由があるのです。
まず、日本人は自分が幸せかどうかを判断するとき、自分自身を見つめるよりも自分の周りの人間たちの生活状況を思い浮かべることから始まります。
- 「友達はもう結婚してるのに、俺は彼女できたことすらねーし・・・」
- 「あいつは有名企業でバリバリ稼いでいるのに、俺ときたら名前も知らない零細企業だ」
と、相対的に見て自分が幸せかどうかを判断するのです。
実は本人は年収500万もあって、世間的には優秀に見られているというのに。遠い国では戦争中で生きるか死ぬかの最中ですが、そんなことはもちろん関係ありません。
自分の周囲の人間よりも幸福かどうか。日本の場合は幸福感の判断基準が他人との比較なんですね。他にも日本の幸福度が低いと思われる理由はありますよ?
苦労を美徳とする日本
これはもはや宗教です。苦労神を信じる苦労宗教。
ブラック企業が蔓延していても「そんなの普通!」、辛いことがあっても「そんなの辛いうちに入らない!」などと言われてしまうのが日本です。
それは、苦労していることこそ美しい・・・!と、何の疑問も持たずに生きてきたおじさんたちがたくさんいるから。
どんなに辛くても難しいことでも、やる気があればなんでも出来る!とにかく我慢だ!こんな精神論・根性論の会社で勤めている人が今の生活を幸福に感じるわけがありませんよね。
足の引っ張り合いが大好き!
『出る杭は打たれる』とはいったものですが、日本人は足の引っ張り合いが大好きです。
例えば仕事を効率的に進めるために作業を分担するとき、誰か一人が楽な業務になるとしましょう。そうすると、「一人だけずるいからみんな平等に苦労しよう」という意見が出てきて、多くの人がそれに共感するのです。結局、非効率的な作業になることが往々にしてあります。
なぜ日本人は、他人が楽をしているのを許せないのでしょうか・・・。有給休暇がとれない現状からもわかりますよね。いくら先進国といっても、労働環境において日本は最悪。
「みんなは仕事をしているのに、お前は休むのか?」と言われてしまうんです。そんな社会で幸せに感じるわけがありませんよね。でも、最近は少しずつ改善されてきているようです。
日本人は謙虚なだけ?
日本人は謙虚です。さらに
「私、幸せです!」
などと言おうものなら、
「お前は苦労が足りない!」
という『出る杭打つおじさん』が登場する可能性がなきにしもあらず。日本人の場合は本当のことよりも、とりあえず謙虚に控えめに言うことは多くあります。
「俺?今幸せだわ!10点満点かな!」なんていう人よりも、「俺は5点くらいかなぁ。最近仕事上手くいってないし~」と、嫉妬されないように低い点数を伝える可能性は高いんですよね。
さいごに
なんか批判的な内容になってしまったものの、日本人に日本が好きかどうかをアンケートすると80~90%くらいの人が好きと答えます。不思議なものです。
幸せとは何なのかと哲学的ではありますが、他人と比べるよりも自分が幸せかどうかという点にのみ注目することができれば、日本人の幸福度はもっと上がるのかもしれませんね。