「メリーさんの電話」は日本において最も有名な都市伝説の一つであると言って良いでしょう。
しかし、メリーさんの正体については知らない方が多いのではないでしょうか。「私、メリーさん」って言うだけなので、結局お前は誰なんだよと思った方は少なくないはず。
メリーさんのあらすじとその正体。そして、もしもアナタの家にメリーさんから電話がかかってきたときの対処法をご紹介したいと思います。
都市伝説「メリーさんの電話」のあらすじ
都市伝説「メリーさんの電話」のあらすじは以下の通り。
ある少女が引越しをすることになり、その際に外国製の人形「メリーさん」を捨てて行きました。しかし、少女が引越しをしたあとの夜、少女の家に不思議な電話がかかってきます。
「私、メリー。いまゴミ捨て場にいるの」
少女は驚いて電話を切りますが、それから何度も同じ電話がかかってきて、最初はゴミ捨て場だったのに気がついた時には家の前まできています。
少女は意を決してドアを開きますが誰もおらず・・・。いたずらかと胸を撫で下ろした時、また電話がかかってくるのです。
「私、メリー。いま、あなたの後ろにいるの」
この電話を受け取った少女の行く末についてはいくつかのパターンがありますが、ホラー要素の強いものから意外と平気なものまで様々なストーリーがあります。
- 振り向いたら殺される
- 後ろから刃物で刺される
- 全身の血を抜かれる
などなど。他に「この話を聞いた人は5人の友達に同じ話をしないと、メリーさんからの電話がかかってきます」という、不幸の手紙やチェーンメールのような形式で伝播することもあります。昔はチェーンメールもよく流行りましたからね。
その後は読者の想像にお任せという点も「メリーさんの電話」の特徴でしょう。
メリーさんの正体は誰?
それでは、最も有名な都市伝説の一つとも言えるメリーさんの正体は、横浜にいたとされる女性が最も関係が深いのではないかと推測されています。
第二次世界大戦後の日本では進駐軍、つまり戦後日本を占領した米軍を主とする軍隊に対して、体を売って生計を立てる娼婦もかなりの人数がいたと伝えられています。
その中の一人が「ヨコハマメリー」と呼ばれていた老女で、この老女は顔に白粉を塗りたくり、人形のようなフリルのついたドレスを着ていました。写真も残っていることから実在の人物であったことは間違いなく、1980年代ごろにはメディアにも出たことがあります。
もちろんこの女性が誰かに危害を加えたといったことは無いのですが、「人形のような服をきたメリーという女性」は、メリーさんの都市伝説とマッチする部分があるでしょう。そのため、この人物をモデルとして誰かが創作した怪談があり、人から人へ口で伝えられる中でアレンジされて行った末に、現在のような都市伝説として成立したと見るのが自然です。
とは言え「ひょうたんから駒」や「事実は小説よりも奇なり」と言いますから、もしかするとこれまでに、本当に捨てられた人形から電話がかかってきて、悲惨な結末を迎えた人もいるかもしれません。
都市伝説は嘘が大半ながら、中には真実が含まれていることもあります。ですから、もし夜に電話がかかってきて誰かが近づいてきたのであれば、くれぐれも後ろを振り向かないようにしてくださいね・・・。
メリーさんの対処法
と、ここまでは真面目なお話ですが、もし本当にメリーさんから電話がかかってきたら怖いですよね?というわけで、メリーさんの対処法をまとめてご紹介します。
- まず電話に出ない
- 壁に背をつける
- 家の鍵を全て閉める
- 後ろにいると言われても振り向かない
- 後ろを取られる前に後ろを取る
はい、これだけです。直接的に攻撃される描写がありませんので、とりあえず「相手にしない」ということが最も簡単な対処法になります。
特に二次創作品ではメリーさんは美少女として描写されており、電話をかけた家に辿り着けなくて泣いていたり、完璧に戸締まりされた家の外で「開けてよぉ」と涙を貯めている・・・なんてこともありますね。他にも、「俺の後ろに立つな」という背後を取られるのが嫌いな男性に条件反射で殴られてしまうというネタもあります。
本当は怖いメリーさんなのですが、実は都市伝説として恐れられるよりも可愛がられることも少なくなかったのです。