2015年11月26日に発表された厳しい省エネ基準によって、2020年をめどに白熱灯と蛍光灯の製造・輸入を実質的に禁止することが決まりました。
蛍光灯に取って代わるものといえばもちろん「LED」ですが、蛍光灯をLEDに変えることによるメリットとは一体なんなのでしょうか?
なぜ白熱灯や蛍光灯が製造中止になるのかについても説明していきます。
そもそもなぜ蛍光灯が製造中止?
照明器具は元々「トップランナー方式」という制度により、蛍光灯・白熱灯・LEDそれぞれに製造と輸入を制限する省エネルギー基準が設定されていました。
この制度はそれぞれの機器においての省エネルギー基準を「商品化されている製品の中で最も省エネ性能に優れているもの以上に設定する」という厳しいものであり、国の省エネ対策を強化するものです。
それでなぜ今回の方針によって蛍光灯が実質製造中止になるのかと言うと…
蛍光灯や白熱灯、LEDとそれぞれ別であった項目が「照明」という一つの品目にまとめられるから。
というわけですね。
消費電力の大きい蛍光灯や白熱灯がLEDの省エネ性能にかなうことはないため、省エネ法が改正されたら使用することが出来なくなるのです。
追記:蛍光灯の製造禁止は誤報であるという記事がネットで多く見られました。本当にデマかどうかについての記事を書きましたので、よければこちらもどうぞ。
蛍光灯をLEDに変えるメリット
しかし、ただの省エネ対策というにはとても大掛かりな内容に感じますね。日本中の照明をLEDに変えるほどのメリットがあるのでしょうか?
関連記事⇒【2020年に蛍光灯製造禁止となる理由。LEDの問題点やデメリットとは?】
長寿命で保守が不要
白熱灯 | 蛍光灯 | LED | |
寿命 | 約1,000~2,000時間 | 約6,000~12,000時間 | 約40,000時間 |
器具交換の目安 (1年で3000時間使用) |
1年以内 | 2年~4年 | 8~10年 |
白熱灯の照明はよくチカチカし始めたり光が弱まってきたりしますね。
しかしLEDは従来の照明器具と比べて長寿命で、白熱灯の10倍以上もの寿命を持っています。
頻繁に買い換える必要がないため、電球の購入する手間やコストを削減することが出来ます。
消費電力が少ない
パナソニックによると、白熱灯に比べて約87%、蛍光灯に比べて約30%もの消費電力を削減できるとのことです。
初期費用はかかりますが、LEDは白熱灯や蛍光灯に比べて長寿命であり交換の必要性が少ないため、2~3年も経てばかかった費用を回収出来ます。
電気代が安くなり、毎月の出費が減るということですね。
さらにLED照明は少ない電力で白熱灯と同じ明るさを作り出し、電力が熱となって失われにくいため、触ってもあまり熱くない「低発熱」という特性もあります。
電気屋の仕事が増える!
電気屋でない人からするとめちゃくちゃどうでもいいことですが、日本全体で見るとお金が回って経済が活性化するとも考えられます。
白熱灯やLED蛍光灯はそのまま付け替えが可能ですが、基本的に蛍光灯の場合はLED照明に変える際に電気工事が必要です。
出費が増えて困りますが、国としては省エネ対策が出来るだけでなく、「電気屋の仕事が増える→LEDが売れる→小売やメーカーも儲かる」という超単純な考えもあるのではないでしょうか?
まとめ
以上、LED照明に変えた際のメリットでした。しかし、LED照明が蛍光灯や白熱灯に全ての面で勝っているのかというとそうではありません。
光の質や価格帯、熱に弱いなどの問題点やデメリットも抱えており、一斉に国民全員にLED照明への交換を強制させるというこの方針に賛成出来ない人も多いようです。
まだ確定したというわけではありませんがLEDに変えることのメリットも確かにあるので、良い機会と思って早めにやるのが良いのかもしれませんね。
直前になってLED電球が大幅値上がりなんていうことだけはないことを願います。