太平洋上に位置する島国「キリバス共和国」が海面上昇によって、国ごと水没する危険が高まってきています。
世界で一番早く日が昇る国であるキリバスは、平均海抜約2mという非常に低い陸地であるため、温暖化の影響を受けて2050年には水没すると言われているのです。
しかし、水没する原因が温暖化というのは本当は嘘であるとする意見があります。今回はキリバスについて解説していきます。
キリバス共和国が水没する原因
キリバスが水没の危機にあることは事実で、その原因は"海面上昇"にあるとされています。
2015年8月頃のNASAの科学者によれば、世界の海面水位の上昇幅は100年前に比べて平均約20cm程度です。
そして1992年以降の20年間に上がった海面水位は世界平均8cmで、過去に予想していた以上のペースで水位が上昇していることも事実です。
そこから単純計算をすると40年間で15cmしか海面水位が上昇しませんが、様々な条件を加味すると2055年には最大で30cm近く上昇すると予測されており、そのとき首都であるタラワ島は5~8割ほど沈んでしまうそうです。
しかし、キリバスが水没する可能性自体はあるものの、本当に水没するかどうかといえばすぐには水没しない可能性が高く、現地在住の邦人によれば誇張しすぎているだけだというのです。
水没している写真は高潮によるもの?
出典:http://4travel.jp/travelogue/10234152
テレビ番組では水没した街や、倒壊した木などをピックアップしていますね。
しかし、キリバスの近くにある島国"ツバル"の現地在住邦人によると、「報道されているツバルの海面上昇問題は大潮や洪水被害によるもの」とのことです。
ツバルだけでなくキリバスにも強風による高潮被害が発生しています。倒れている木でさえも、湖の埋め立てやサンゴ礁掘削工事での海岸侵食によるもの…という少々恐ろしい真実なのです。
温暖化が原因は嘘?本当の原因は何か
それでもキリバスが水没の危機であることに違いはないのですが、世界を見ると海面水位が下がっている海域もあるほどです。
例えば"最も早く沈む国"と言われるツバル近海の海面は、毎年平均約2mm程度しか上昇していないのです。(気候変動政府間パネルによるもの)
そのため、すぐに国が沈むということはないのだと言えますね。
といっても温暖化による海面上昇自体は起きていますので、温暖化が完全に嘘というわけではありません。
しかし、キリバスが沈む本当の理由はCO2による温暖化で海面が上昇しているからではなく、ツバルと同じように人災や自然災害が主な原因ということになります。
生活排水による汚染で海岸が侵食したり、観光客向けの土地開発が島を侵食して地盤沈下を引き起こしてしまうのです。
まとめ
地球温暖化が嘘か本当かは難しいテーマですね。
今回書いたように、キリバスが水没するのは2050年ではなく数百年後だとする意見もあります。しかし、氷河がとけるかどうかなどもあるため海面上昇の予測は難しく、今と未来が同じように上昇し続けるとは言えないんですね。
また、キリバスが水没してしまった場合、フィジー共和国が全キリバス人の移住を受け入れると表明しており、万が一の事態に備えているようです。
グーグルマップでタワラ島を見てみたら、既に島のほとんどが海で満たされていて三角形のドーナツみたいになっていたことには驚きました。
参考:天国に一番近い島ツバルにて http://monden.daa.jp/01tuvalu/02prefix2.html