電気をつけっぱなしにして寝てしまうことはありますが、電気をつけたまま寝る方はかなりの少数派かと思います。
ほとんどの人は寝る前にカーテンを閉め、部屋の電気を消してから布団に入ることでしょう。それでも、小さな光だけはつけたままにして寝るという方は意外と多いのでは?
しかし、明るいところで寝ると身体に悪影響があるともよく言われますよね。
それでは真っ暗にして寝た方が身体に良いのでしょうか?豆電球やベッドの照明程度の明かりが与える影響について解説していきます。
電気をつけたままで寝ると体に悪い?
電気をつけたままだと身体に悪いことは事実です。
夜中まで眠たい目をこすって、ついついゲームをしたりマンガを読んだり…。そうして電気を消さずにウトウト寝てしまったなんて経験はありませんか?
そうすると、身体も脳もどんどん疲れが溜まっていってしまいます。
なぜなら、明るいところでは瞑ったまぶたから光が差し込むと脳が覚醒状態になってしまい、熟睡することが出来ないからなのです。
電気をつけたまま寝ることで身体に起こる悪影響
熟睡出来ない以外にも、身体に与える悪影響はあります。
- ホルモン分泌による肥満・老化
- 睡眠不足によるうつ病
明るいところで寝ると暗いところで寝た場合に比べて「メラトニン」という、生体リズムに良い影響を与えるホルモンが20%程度しか分泌されなくなります。
メラトニンが肥満や老化に関係しているということで、J-CASTニュースではメラトニンによる肥満の実験結果が以下のように書かれていました。
今回の調査は10年9月から12年4月まで、奈良県内の高齢者528人を対象に実施され、ほぼ真っ暗な照度3ルクス未満の部屋で寝ている人と、9ルクスと いう豆電球を点けた程度の明るさで寝ている人を比べたところ、肥満症や脂質異常症の割合が9ルクスが3ルクスの1.9倍にもなったという。
本当に2倍も肥満になるかどうかはともかく、夜に光を浴びることで太りやすくなることは揺らぎようのない事実のようです。また、夜に良い睡眠を取れないことで体内時計が乱れ、睡眠不足に陥ったことでうつ病が発症しやすくなると言われています。
人間は小さな明かりがある方が熟睡出来る?
科学技術の発達により「真っ暗で寝ると身体に良い」ということがわかりましたが、実は多少の明かりがある方がよく眠れます。
なぜなら昔の人間は、光の一切入らない真っ暗闇で寝るという生活をしていなかったから。むしろ、大昔は火を起こして敵に襲われないようにして寝ていました。
いくら知能の高い人間と言っても、生物としての本能や反射というものが存在します。何も見えない暗闇は、本来人間にとって恐れるべきものなのです。
だから、小さな明かりがないと寝られないのは人として全く普通のことなんですね。子どもが暗闇を怖がる理由も同様に、人間が学んできた知識がまだ入っていないからと言えるでしょう。
豆電球はつけて寝る?真っ暗じゃないと体に悪い?
電気をつけたまま寝ると身体に悪いと言われる理由は、「熟睡出来ないこと」と「メラトニンの分泌が抑制されること」の2つに大きく分けられます。
しかし、豆電球の明かりがあるほうが寝やすい人にとっては真っ暗闇の方が寝付きが悪くなります。そのため、「真っ暗じゃないと熟睡できないから身体に悪い」というのは正しくありません。
それではメラトニンはどうなのでしょうか。
メラトニンの分泌は、一般的に500ルクスの明るさ(昼間の室内照明程度)から抑制されると言われています。
実験ではさらに200ルクスの明るさ(夜間の室内照明)でもメラトニンは抑制されることが明らかになっています。しかし、50ルクス以下ではメラトニンの分泌はほとんど抑制されないこともわかっています。
ちなみに豆電球の明るさは9ルクスです。
つまり、豆電球程度の明るさがメラトニンの抑制に大きな影響を与えるとは考えにくいんです。しかも、完全な暗闇だと深い眠りにならないという実験結果もあるほどです。
睡眠の質をあげるにはむしろ、30ルクス(月明かり程度)以下の光があったほうが良いと言われています。豆電球の明かりがついていると身体に悪いというのはある意味間違いであると言えるでしょう。
まとめ
私の結論としては、真っ暗よりも多少の明るさがあったほうが睡眠の質は良くなるということでした。
といっても、少しでも明かりがあると寝れない!という人の場合は真っ暗で寝ても全く問題はありません。肥満になりやすいという話もありますからね。
明るくないと眠れないというのは少々問題ですが、豆電球や間接照明程度であれば何も身体に悪くなかったという話でした。