「3年連続モンドセレクション最高金賞受賞!」
「モンドセレクション優秀品質賞の金賞受賞!」
皆さんはこんなキャッチコピーを見たことがあると思います。
「なんだかよく分からないけど、金賞を受賞するくらい凄いんだな」と思って買う人も中にはいるのではないでしょうか。
しかし、モンドセレクションについて気にして見ていると、受賞している商品が非常に多いことがわかります。そうなれば、怪しい賞とまでは言わずとも「実はあまり価値のない賞なのでは?」と感じてきますよね…。
今回はそんなモンドセレクションの価値について見ていきましょう。
モンドセレクションとは
モンドセレクションは食品や化粧品など、消費生活製品の品質や技術的水準を評価するベルギーの民間団体です。
日本では有名なモンドセレクションですが、実は世界的な知名度はあまり高くありません。しかも毎年多くの商品が審査されますが、そのうち5割もの商品が日本から出品されたものなのです。
また、商品を評価するのはそのジャンルの専門家や評論家です。
モンドセレクションの選考基準
選考基準は相対評価ではなく絶対評価なため、基準を満たしていれば全ての商品に最高金賞を与えることも可能です。
そしてその選考基準は非公開でどのような審査を行っているかも不明です。受賞者にもなぜ金賞だったのかなどの理由が教えられることはないのです。
ちなみにその選考方法ですが、「美味しいかどうか」「安全かどうか」などの純粋な審査だけではありません。パッケージに虚偽の記載がないか、規格通りに製造されているかなども評価していると言われています。
例えば「ふんわり食パン」の記載がしてあるとするなら、パンが「ふんわり」していれば高評価というわけです。味の評価が難しいであろうミネラルウォーターも最高金賞を受賞しまくりです。
優秀品質賞の価値とは
モンドセレクションの公式HPには、賞を貰える得点が記載されています。
- 優秀品質銅賞 平均得点60%から69%取得商品へ授与 - 優秀品質銀賞 平均得点70%から79%取得商品へ授与 - 優秀品質金賞 平均得点80%から89%取得商品へ授与 - 優秀品質最高金賞 平均得点90%から100%取得商品へ授与
これらを受賞することで、3年間は商品パッケージに印刷することが可能になります。
すごい効果が実証されたわけでもなく、めちゃくちゃ美味しい食品であると評価されているわけでもありません。それでも「期間限定」や「○○賞受賞」なんていう言葉が大好きな日本人は、モンドセレクション受賞のラベルが貼ってあるだけで安心して購入してしまうのです。
その審査費用は15万円~17万円で、出品された商品のほとんど全てが受賞しています(約8割)。
モンドセレクションに価値はない?
お金を払えば受賞出来てしまうような賞に何の価値があるのでしょうか?
しかも日本の商品というのは基本的にある程度出来上がった物が多いので、特別な問題がなければ金賞を獲得出来てしまいます。
それでも全く無価値というわけではありません。モンドセレクションの最高金賞であれば、味は悪くない、害は少ない、パッケージの記載通りのものである、という証明にはなります。
金賞なら悪いものではないよ~程度でしょうか。
モンドセレクション受賞で売上が増加!
モンドセレクション受賞商品は売れ行きが全く違うというのが何より大きく、豆腐ようで受賞したJCCは一時の売上が3.5倍にもなったそうです。
モンドセレクションの価値はマーケティングに使えるということです。
「なんか知らんけどすごい」と思わせるための賞ではあるものの、一応は専門家や評論家が審査しているので信憑性はあります。そのため商品を選ぶための一つの基準として考えるのも有りかもしれません。
しかし、このままモンドセレクション受賞商品が増え、賞自体があまり凄いものではないことを知る人が増えればその価値が下がっていく可能性は高いでしょうね。
参考1:モンドセレクションの審査基準に「美味しさ」は無関係? http://news.livedoor.com/article/detail/9743526/
参考2:「モンドセレクション」って何だ? http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20080131/1006634/