数年前からメディアに度々取り上げられているゴミ屋敷問題…。
部屋の足元がゴミだらけの汚い「汚部屋」ならまだしも、地域の住民に迷惑をかける「ゴミ屋敷」はすぐにでもなくなってほしいものです。
しかし、彼らは行政から注意を受けたり、近隣住民からどれだけ文句を言われようが頑なに片付けようとはしません。
一体なぜ、ゴミ屋敷に住む人は家をゴミだらけにしてしまうのでしょうか?また、足の踏み場もない「汚部屋」もただの面倒くさがりでは片付けられないほどの散らかり具合です。そんな彼らの心理について見ていきましょう。
ゴミ屋敷を作る人の心理
ゴミ屋敷を作る人は「捨てられない人」や「片付けられない人」ではありません。色々なところからゴミを拾っては集めてくる…その家の様子はまさにゴミ集積所のようです。
ゴミ屋敷は日本だけでなく外国にも多数存在します。その特徴として、一人暮らしの老人であることがほとんどです。
しかし、テレビの取材やインタビューにはしっかり答えているし(内容はともかく)、郡山市の強制撤去に対しては「敷地内のものは財産である」と管理者がFAXで異議を申し立てるなど、認知症の可能性は低いことがわかります。
さらにゴミ屋敷の住人はゴミのことをゴミとは思っていません。ゴミであることはわかっているが、いつか使うかもしれない大切な財産だと思っています。
ゴミ屋敷は精神疾患によって作られる?
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考えられる精神疾患としては、強迫観念によって物や財産への執着が異常に高まっているということです。ゴミ(財産)がないと強烈な不安を感じるため集めてきてしまう強迫性障害です。
重度のADHD(注意欠陥・多動性障害)の場合も、とにかく掃除や片付けが億劫で汚部屋・ゴミ屋敷になってしまう可能性が高いと言えます。
近所に迷惑がかかっていることを知っているのに他人の気持ちを考えることが出来ないという点や、物への愛着・強い拘りは自閉症やアスペルガー症候群にも似ていますね。中には認知症によって異常な収集癖が出てしまう方もいるようです。
しかし、もしかしたらただの究極な面倒くさがりという場合もあるかもしれません。外から物を拾ってきてまでゴミ屋敷にしてしまう理由は人によって違うため一概には言えないようです。
また、精神科医の中には「精神疾患の場合は家を汚すことはあってもゴミを持ち込む行動はとらないので、ゴミ屋敷の主のほとんどは人格の偏った健常者である」という見方をしている人もいます。
※住人が不在な家に近隣住民が不法投棄することによってゴミ屋敷が作られる場合もあります。
ゴミ屋敷の問題点
ゴミ屋敷の問題は悪臭の発生や害虫がわき出すことによる衛生的な問題、放火やゴミから出火などが火事の原因になってしまうということです。
ゴミの山が崩れてきたり、尖ったものが手に刺さったり、ゴミ屋敷のように高く積み上げられると片付けるのにも危険が伴います。ゴミ屋敷から出火して隣の家が全焼してしまった事件もありましたし、ゴミ屋敷問題はなんとか解決して欲しいですね。
汚部屋の場合は近所の人に迷惑をかけることは少ないと思いますが、最近は汚部屋を片付ける専門業者もたくさんあるようです。
テレビでやっていた内容では毎日のように依頼が入るそうで、「片付けられないけど旦那には言えないので、住んでないのに家賃を払い続けていた」という相談者もいたのには驚きました。
汚部屋に住んでいる人は芸能人にもたくさんいますね。
まとめ
精神疾患の専門家ではないので詳しいところはわかりませんが、精神病は脳の病気でもあるので「とにかく片付けなさい」と命令をしても問題は解決しないかもしれません。
ゴミ屋敷の場合は強制撤去をしたくても住人にとっては財産であるため、そう簡単には片付けることは出来ないのが難しいところ。ゴミが貯まる度に市がお金を使って強制執行するのもアホらしいですし、周辺の住民たちは本当に困っていると思います。
最近では、福島県郡山市のゴミ屋敷が行政代執行による全国2例目のゴミの強制撤去が行われました。ゴミ屋敷の住人はどう思うか不明ですが、やはり火事の危険性を考えると強制撤去は必要なことと言えるでしょう。