最近は神職に興味がある人や神職になりたいという人が少しずつ増えてきているようです。
あまり深く関わることがないため、一般の人にはわからないことが非常に多いです。いまだ「実家が神社じゃないと無理」というイメージもありますが、神職になる方法はあるのでしょうか。
また、神主になりたくない人でも気になる神職の収入とはどれほどなのでしょうか。
はじめに
「神主」とは、神社でおいて祭儀などを行う神職のことです。
あくまで職業名であり、神社の代表という役職は持ちあわせていません。神社の責任者は神主ではなく「宮司」と言い、各神社に一人しかいません。
また、本来は神社における長のことを神主と言いますが、現在は神職と同じ意味として取り扱われています。
現代は女性でも神職になることが可能です。
神主になる方法
まず神社本庁が発給している神職資格を取る必要があります。
神職資格の取得方法
一番の近道は神道の大学を出ることです。
神道を学ぶことが出来る大学は、以下の2つのみです。
- 國學院大學
- 皇學館大学
既に4年大学卒業済みの人は、上記の大学で1年間神道学の専攻を卒業すればOKです。神職養成所に2年間通うという方法もありますが、養成所に入所する際には各都道府県神社庁の推薦書が必要です。
年2回開かれる「1ヶ月間の神職養成講習会に参加する」という方法もあります。
この一見簡単そうに見える1ヶ月の講習は、参加するために宮司の推薦状を提出し、神社庁が承認することが必要です。しかし、基本的には色々な理由があって既に勤務する神社が決まっているような人が対象となっており、普通の人は厳しいようです。
また、自分で神社を建てて、装束を来て「私は神職だ」と名乗り続け、宗教法人を取得するという最強の方法もあります。
神道界の就職方法
無事に神職資格を取得した後、神社に努めなければなりませんね。
神職には社家出身の人(今まで神職を世襲してきた家)しかなれないという習わしがありましたが、現在は人手不足なこともあり求人を出しています。
今でも世襲制のところは多いものの、神社と縁のない人生を送ってきた人でも十分に神職になれる可能性があります。
ちなみに神社の場合は就職ではなく「奉職」といいますが、一般の企業と同じようにハローワークに求人が来るということはありません。
つまり、奉職先を見つけるには他の神主さんとのコネが必要になります。
しかし、神道の大学の場合には他の大学と同じように神社の求人が来ます。条件の良い神社もあれば悪い神社もあり、一般の企業とあまり変わりません。
人づてに比べれば奉職先を見つけやすく、勉強も出来るということで大学卒業が神主になるための近道だと言われるのでしょう。
神主の年収
気になるのが神職の収入です。
「坊主丸儲け」とは言ったものですが、神主はどうなのでしょうか。
神社の収入源
神社は神社本庁に所属しているものの、経営の管理はそれぞれの神社が独自に行っています。
大半の収入源は七五三やお宮参りで得られる祈祷料で、他に御札やお守りの販売も収入源となっているようです。
年に数回の行事のお布施しかないためそこまで大儲けというわけではなく、人の入りが少ない神社は特に収入が少ないのです。更に人手不足も合わさってか、一人の宮司が複数の神社を兼任して管理しています。
また、神主の給料には上限があります。
神社本庁が給料の上限として定めた金額は「月額60万円」となっています。しかし実際に60万円まで儲かる神社はかなり少ないようです。
まとめ
神主になるためには、普通の就職と同じように大学へ行って資格を取り、奉職先を見つける必要があるということがわかりました。
また、年収を推定するに大体の平均300万円~500万円ほどといったところではないでしょうか。神主の中には、副業として行事のない平日は普通の企業で働いているという人もいるようです。
気軽にはなれませんが、ちゃんと手順を踏めば神職になることは出来るということですね。