冬のボーナス支給日が近づいてきましたね。アベノミクスやら何やらで景気が良くなってきているとのこと。
中々普段の生活では実感できませんが、労務行政研究所によると2015年はボーナスの支給額が上がっているようですね。
しかし、ボーナスが上がったと言っても平均という数字のマジックがある上に、公務員や大手企業と中小零細を比べると圧倒的な差があります。もちろん零細に勤めている私にはボーナスなどありません…。
今回は、冬のボーナス支給額はどれだけ上がったのか、大手企業と中小企業の格差などについて解説していきます。
ボーナス平均支給額、調査結果のマジック
2015年10月時点、労務行政研究所の冬のボーナス調査によると、一部上場企業199社の平均額は「73万2888円(前年比3.7%増)」となっています。
また、日本経済団体連合会の調査によると、大手企業80社のボーナス平均支給額は過去最高の「91万697円」とのことです。2014年の「89万3538円(前年比5.7%増)」をさらに超えました。
これだけたくさんのお給料が貰えたら日本中が大喜びじゃないでしょうか?しかし、実際にこんなに貰える人はほとんどいません。
なぜなら、こういう調査結果の中には"大手企業○○社"、"一部上場企業"という言葉が必ず含まれているからです。
中小企業の割合は99.7%
日本の総企業数は約412万です。そのうち、個人事業者等を除いた法人事業(いわゆる会社)は170万社あります。
そしてさらに、ボーナス支給額の調査対象であった一部上場企業の数は約3500社のみ、法人企業のうち「0.2%」しかありません。
このような日本の中でもトップレベルの企業のみを調査した結果、「ボーナスは増加している」という言葉で発表されるわけです。
中小企業や零細企業に勤めている人が「景気が上がったとか色々ニュースで言われてるけど、こんなに貰ってる人なんていないぞ!」と感じるのは普通のことだったのです。
中小企業のボーナス平均額は?
それでは、中小零細を含む調査ではいくらなのでしょうか。
従業員5人以上の事業所を調査したみずほ総合研究所によると、民間企業全体では2年ぶりに減少しているとのことです。
平均支給額は「36万8694円(前年比1.8%減)」と予測しています。
大手企業のボーナスは増えているのに対し、中小企業は減っているのですね。
ちなみに公務員は「71万5400円(前年比3.4%増)」と予測されており、減っているのは中小企業のみという悲しい結果になっています。
まとめ
非正規やパート職員も年々増加傾向であり、格差は少しずつ広がっているように見えますがどうなのでしょうか。大手企業と公務員のみでなく、その他大勢の中小零細企業にもお金が回るようになると良いですね。
こうした一部のみが恩恵を受ける政治内容に不満を持つ人も多いようですが、中小企業の支給額が下がった要因として「今まで貰えていなかった人が貰えるようになったから」とする見方もあります。
また、景気が良くなっていくのは大企業から順番だそうです。
大企業が儲かる→事業拡大、雇用拡大→下請けに発注→下請け(中小零細)も儲かる
多く貰っている人の報酬を減らすことよりも、ボーナスが出ていない人にも出るような状況になってほしいものです。