出典:Wikipedia
日本では昔から「雷獣」がいると信じられてきました。
雷獣とは雷系の妖怪のことで、荒天の時に雲に乗って現れ、雷が鳴る度にそこへ飛び回るとされています。
その姿は20cmから60cmほどの大きさがあり、長い体はまるで猫や小型犬にも似ています。茶色の毛と長い尾を持っており、足は6本あるといわれたりもしています。
実際に新潟県にはこの雷獣だと伝わるミイラが残されていますが、実は岩手県にも同じように雷獣とされるミイラが寺宝として残されているため、当時から存在していたなんらかの動物が「雷獣」として考えられていたのではないかといわれています。
雷獣の正体はハクビシン?
その動物として候補にあげられているのが「イタチ」もしくは「ハクビシン」です。
ミイラとして残っている雷獣と姿形が非常に似ており、この2つの動物が雷の音に驚いて木から落ちたところを目撃した人が多数いたことから、雷と共に落ちてくる妖怪として考えられるようになったのでは…という説が強いようです。
ハクビシンとイタチの違い
ハクビシンは日本では外来種とされている動物で、もともとは中国や東南アジアに生息しています。体重はおよそ3キロほど、体長は60cm前後、ネコ目ジャコウネコ科になります。
ハクビシン
一方でイタチはネコ目イタチ科で、日本に多く生息しているのはニホンイタチと呼ばれる種類です。オスが30cm前後、メスは20cm前後、体長はオスでも12cmから16cmほどしかありません。
イタチ(テン)
ハクビシンとイタチの特徴を見て、どちらの方がより伝説のこの妖怪に近い容姿をしているかといえば、やはりハクビシンのほうが大きさ的にも似ていると考えられるでしょう。ハクビシン自体は明治頃にはすでに日本に定着していましたが、やはり目撃されることは非常に珍しいことでした。
雷獣の正体は本当に妖怪?
ところが少し異形のものも目撃されています。
1801年、広島で目撃された雷獣は体長が95cmもあり、カニに似た顔と全身にあるウロコ、そして手足の2本の鉄のような爪を持ったものでした。
姿からは動物のアナグマなのでは…と考えたくなるところですが、当時はすでにアナグマの存在は知られたものであったため、顔が全く似ていないアナグマと間違えていたとは考えにくいのです。
さらに岐阜県では1971年に大学生が「体長70cmほどのイタチのような姿の獰猛な顔をした生物」を目撃しています。
妖怪まんがの中に出てくるこの妖怪は6本の足、そして尾を2つ持っていることが特徴としてあげられており、全国的に同じ妖怪であっても様々な姿をしていることがわかりますね。
さいごに
以上が雷獣の正体についてでした。
実際にミイラがあるということは実在することは間違いないので、妖怪とは名ばかりの動物が正体でしょう。やっぱり信憑性が高いのはハクビシン説だと思います。