「台風一過」とは、台風が過ぎ去った後に空が晴れ渡ることを言います。
その言葉の意味から、「事態が好転して騒動が収まり晴れ晴れとすること」を意味して使うこともあります。ところが、台風が過ぎ去ったのに中々晴れないという経験は誰しもあるのではないでしょうか?
というわけで今回は、「そもそもなぜ台風が去った後に晴天となるのか?」、「台風一過のはずなのに晴れないのはなぜ?」ということについて解説していきます。
台風一過で晴れないのはなぜ?
そもそもなぜ台風一過は発生するのでしょうか?
日本の南東で発生した台風は、日本を通過する時に太平洋上にある高気圧と、中国大陸上空にある高気圧との間の気圧の谷(気圧の低いところ)を通過していくことが多くなります。
多くの台風が日本付近を北上すると東に進路を変えていきますが、それは気圧の谷に沿って進んでいる為です。
そして、気圧の谷は台風が通過するときに移動し、日本はその後に進んでくる高気圧に覆われます。その結果、台風の後は空が晴れ渡り良い天気になるのです。
さらに台風は海の上で発達することからも分かる通り、湿気のある空気をエネルギーとして溜め込んでいきます。それはある意味、空の掃除機のようなものであり、湿気を吸引していくので台風の後はからっとした空気になるというわけです!
台風一過で晴れないとき
逆に、台風が過ぎ去ったあとに晴れないのは少し珍しいパターンです。
日本海側の地域では例外的に高気圧が発生しにくく、海の影響で雲ができやすいため台風一過の晴天の恩恵に恵まれにくいんです。
また、近年は気候変動により、日本付近で台風が東へ進路を変えていくというようなパターンに収まらない場合もあり、一概に台風一過の晴天とはならずに晴れない事もあります。秋雨前線を引き連れてきていたり、後ろに控えている高気圧が弱い場合も晴天とはならない事があります。
台風一過のときに釣りをしたらどうなるの?
ちょっぴりどうでもいいことかもしれませんが、台風一過のときに釣りをしたらどうなるかご存じでしょうか?
実は台風一過のときの釣りはちゃんと波がおさまる、雨風の心配が無いなど安全を確認さえ出来れば大きなチャンスなのです!
なぜなら、台風がきて海が大きく荒れると底の方から海がひっくり返された様な状態になるからです。そうすると、海底のプランクトンが水中に舞い上がりそれを狙う小魚も活性化します。
小魚が活性化すればそれを狙う大型魚も活性化し喰いが立つようになりますので、それだけ色々な魚を釣るチャンスが増えるという事になるというわけです。
入れ食いか、それとも全く釣れないか?
台風一過の川は増水で危険な場合が多いのであまりオススメは出来ません。
湖や沼などでは水が濁りますので魚の警戒心が薄れ良く釣れる事もありますが、大きく水温が低下してしまった場合は喰いが悪くなっている場合もあります。
淡水の釣りでは雨が降っている時がチャンスになる場合が多くありますが、台風一過もその延長と考えても良いでしょう。沖でも淡水でもタイミングを間違えなければ台風一過の釣りは大きなチャンスになりますが、逆に苦戦する可能性がある釣り場もあります。
それは河口などの汽水域です。
淡水と海水が混ざり合う汽水域は普段ですと様々な魚を狙う事が出来る好ポイントが多いのですが、特に河口などでは大量の真水が流れ込んできてしまいますので塩分濃度が普段より薄まってしまい、海の魚が散ってしまう事があります。
そういう場合だと、同じ汽水の魚でも淡水寄りの魚がメインとなってしまうのです。
以上、台風一過では逆に全く釣れなくなることもありますが、運が良ければ入れ食い状態になることもあるということでした!台風が過ぎ去ったあと、様子を見計らって釣りに出かけてみてはいかがでしょうか。