世界最高の権力者ともいわれるアメリカ合衆国の大統領ですが、そこには様々なドラマが隠されています。
そのひとつが、今も語られるテカムセの呪いです。
これは第9代大統領ウィリアム・ハリソンの死去から始まり、以後20で割り切れる年に選び出された大統領が皆、在職中に死去したことを指します。人々はこれを、アメリカインディアンの戦士であり、象徴的人物であったテカムセによる呪いだと噂し合ったのです。
どこまでが本当かはわかりませんが、これがちょっと恐ろしい呪いなんですよね・・・。
テカムセの呪いとは?
アメリカは独立戦後、アメリカインディアンから土地を略奪して国土を広げていきました。当然、インディアンたちは怒り、抵抗運動を開始します。
アメリカインディアンにいわゆる指導者といった概念は存在しませんが、戦いの先頭に立ち、ときには交渉役として現れた人物こそがテカムセでした。
引用:Wikipedia
このため、アメリカ側は今も彼をこの戦いの象徴的人物と見なしています。そして、このときにアメリカ側の指導者にいた人物こそがウィリアム・ハリソンでした。テカムセは戦いの中で死去し、ウィリアムはその功績を認められて、1840年に大統領になりました。
しかしそれが皮肉にも、呪いをかけられたと噂される遠因ともなったのです。
テカムセの呪いで亡くなったと言われる大統領
ウィリアムは就任の翌年、肺炎で死去してしまいました。それだけならば、まだテカムセの呪いとは呼ばれなかったことでしょう。
しかし、彼の就任から20年後の1860年に選出された人物はあの有名なエイブラハム・リンカーンです。彼は歴史の教科書にもあるとおり、フォード劇場で暗殺されてしまいます。
そのまた20年後、1880年に選出されたジェームズ・ガーフィールド、同じく1900年 のウィリアム・マッキンリーも暗殺という運命をたどったのです。
呪いはまだ続きます。1920年に就任したウォレン・ハーディングは心臓発作で、1940年に選出のフランクリン・ルーズベルトも脳溢血で、いずれも在職中に死去しています。
そして、1960年に選出された人物も有名ですね。ダラスの凶弾に倒れたジョン・F・ケネディです。知っている方も多いのではないでしょうか。
テカムセの呪いは既に終わった?
しかし、テカムセの呪いにも、終焉のときがやってきました。1980年選出のロナルド・レーガンは、翌1981年に狙撃されるも生き延び、無事に任期をまっとうしました。
呪いの犠牲者についてWikiでまとめられていたので引用します。
- 1800年 - トーマス・ジェファーソン、任期満了、退任17年後の1826年死去。
- 1820年 - ジェームズ・モンロー、任期満了、退任6年後の1831年死去。
- 1840年 - ウィリアム・H・ハリソン、1841年4月4日に肺炎で死去。
- 1860年 - エイブラハム・リンカーン、1865年4月14日に暗殺された。
- 1880年 - ジェームズ・ガーフィールド、1881年7月2日に暗殺された。
- 1900年 - ウィリアム・マッキンリー、1901年9月14日に暗殺された。
- 1920年 - ウオレン・G・ハーディング、1923年8月2日に心臓発作で死去。
- 1940年 - フランクリン・ルーズベルト、1945年4月12日に脳溢血で死去。
- 1960年 - ジョン・F・ケネディ 、1963年11月22日に暗殺された。
- 1980年 - ロナルド・レーガン、1981年3月30日に暗殺未遂、任期満了、退任15年後の2004年死去。
- 2000年 - ジョージ・W・ブッシュ、いくつか事故(後述)があったが任期満了、存命中。
引用:Wikipedia
2000年に就任したブッシュ大統領もまた、いくつかの事故はあったものの今も存命です。
アメリカは世界最大の国で影響力も半端ないので、元々他国よりも危険はあるかと思いますが、20年周期の大統領だけ任期中に亡くなっているという事実が「なにかある」と思わせてしまうんですよね。
このような呪いが噂されるほど、彼らの職務は危険と隣り合わせといえます。同時にそれこそが、大統領の権威をより確かなものにしているのでしょうね。
2020年に就任するアメリカ大統領も無事ですむといいのですが・・・。政治内容については置いておくとしても、トランプ氏のように過激な発言で敵を増やしていると、テカムセの呪いと関係なしに危険なことになるのではと少し不安になってしまうのでした。